JIS Z 9015-1に基づく抜き取り検査での重要な点に、サンプルの抜取り方法があります。JIS Z 9015-1抜取り検査におけるサンプルは、「ランダムサンプリング方式」で選び出す必要があります。ランダムサンプリング(無作為抽出法)とは、品質管理調査対象の全体である母集団から、無作為(ランダム)に標本を抜き出す(サンプリングする)ことです。母集団の一部を調査すれば、全体の正確な情報を得られることが推測統計学により証明されているため、ランダムサンプリングは色々な調査の基本方法となっています。
JIS Z 9015-1抜取検査でのサンプルの抜き取りは、基本的に「単順ランダムサンプリング」によって抽出します。ロットがサブロットまたは層に分かれている場合、「層別サンプリング」を使用します。品質管理調査現場では、サンプルをランダムに抜き出すことは容易ではありません。さらに、抜き出されたものが、確実に無作為に抽出されたかを証明するのも難しい場合もあります。それらの問題を解決する策としては、乱数表やサンプルカードを使用したり、調査対象物の移動中にサンプリングするといった方策が講じられます。
JIS Z 9015-1抜取検査マニュアルにある「OC(検査特性)曲線」とは、不良率とロットの合格確率の関係をグラフ化したものです。横軸に不良率(p)、縦軸に合格確率(P)をとります。「OC(検査特性)曲線」を見ることにより、使用している抜取り検査方式において、ロットが合格になる確率はどの程度かを判断することができるのです。ちなみに、OC曲線は、サンプルサイズや合格判定個数、抜き取り検査方式などに応じて、曲線の形状が変わってきます。